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みんなの日本語 翻訳・文法解説は使う?

『みんなの日本語』は使いたくないという学習者に出会ったことがあります。


プライベートではあまりこのテキストは使わないのですが、一応聞いてみました。
「どうして?」

理由は「自分で勉強できないから」でした。

そう、このテキストには説明が一切ありません。
クラスで理解すればいいのでしょうが、一クラス20人近い人達がいて、理解力が人それぞれ違うのですから、「実はよくわかっていなかった」「クラスではわかったと思っていたけど、家に帰ったら忘れちゃった」なんて学習者も必ずいるのです。
そんなときに拠り所になるテキストが手元にないと、復習ができないでしょう。

『みん日』を使いたくないと言った学習者は、日本語学校に通っていたけれど難しかったと言っていました。留学生ではありませんでしたから、家庭のことで用事があって1日でも休んだら、もうわからない、と。『翻訳・文法解説』は買わなくてもいいと言われたとか。
結局日本語学校はやめてしまったそうです。


先週スリーエーネットワークさんのウェブサイトに、みんなの日本語初級 翻訳・文法解説』を使いこなす-学習者の上達と教師の力量アップ-という記事が公開されました。

授業の中だけで全てを理解する学習者はいません。課題をしたり試験に備えて準備することが必要です。その際に『翻訳・文法解説』は自宅学習での拠り所となります。

昨年度ベトナムからの留学生のクラスを受け持ち、彼らの勉強ぶりを見ていて本当にこの通りだと思いました。
いかに効率よく学習していくか、そのためのツールをきちんと与えることも教師の役割の一つだと思います。
そして、それができなかったあの時の自分をとても申し訳なく思っています。

『翻訳・文法解説』を使ってみませんか。
まさか読んだことがない日本語教師はいないでしょうが、もし外国語がなにかできるのでしたら、ご自分の得意な(あるいは学習している)言語の『翻訳・文法解説』を読んでみることをおすすめします。学習者のつまづきポイントが発見できるかもしれませんよ。


 
電子書籍化していただけるととてもうれしいです、スリーエーさん。

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