2016年9月17日土曜日

クラスで音読練習

初中級レベルの教科書『中級へ行こう』が改訂されて、日本語学校の夏学期にちょうど取り組んでいました。今回の改定でとてもいいと思ったのが、巻末にある漢字練習。
学習目標が
  • 本文がルビなしでもひととおり読めるようになる。
  • 漢字語彙を増やす
なのです。


ワタクシ、授業スケジュールでここがあたるととても楽しみ。
該当の課の学習が一通り終わったあとにするのですが、
まず、漢字語彙を全員で音読。
だいたい知っている(けれど漢字で読めない)語彙ですので、説明はほぼ不要。
その後、「読み練習」のところに取り組ませる。漢字の読みを書くパートです。

不思議ですねえ。すぐそばに答えになる語彙があるのに、皆さん、できるだけ見ないで書こうと頑張るんです。
見回って、間違いがあれば指摘しますが、答え合わせなどはしません。だまっていても皆さん、勝手に答え合わせしてますから。

そのあとが、通称「自分にチャレンジ!」です。
本文ルビなしを一人で音読練習です。
小声でいいので、がんばってねと言ってみます。

これを初めてやった時、クラスで漢字をあきらめてしまっていて実際読めない学生が「無理!無理!」と言っていました。
が、「ちょっと読んでみて」と声をかけてみました。
最初の一文が、読めたのです。
あたりまえ。つい1、2分前に、読み練習して、読み方をひらがなで書いていますから、最初の部分くらいは思い出せます。
ところが、本人びっくりしてたのですよ。自分がわかることに。
「読める!読めるぞ!」って感じ?
以来、「無理」と言わなくなりました。

「自分にチャレンジ!」が終わったら、ペアで練習。
一人は読む人、もう一人はルビあり本文を見ながら、聞く人。
なぜか、毎回小さい盛り上がりがあります。
対戦している気分なのかな~。

たったこれだけのことなのに、結構楽しそうに学生の皆さんが取り組んでいる、いい練習だと思っています。

英語教育2.0 というブログに、同じような教科書音読のことが書いてありました。
教科書音読シート1

できる人とちょっと遅れている人の混在しているクラスレッスン。
だれもが取り組めて、ゲーム要素のあるこの活動が、読む力を向上させられたらと思います。

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