2015年2月7日土曜日

日本語教師の働く場所

「日本語教師 低賃金」でググってみたら、約 251,000件って出ちゃいましたよ、皆さん。


「日本語教師=日本語学校で働く」と思っている人は、きっと日本語教師では食えない、清貧一直線だと感じていることでしょう。
しかし、今や世の中にはいろいろな仕事があります。

日本語教師がその技術を生かして、日本のどんなところで働いているか、書き出してみます。全て実際に求人が公開されたり、個人的に依頼があったりしたものです。

  • いわゆる日本語学校
  • 大学
  • 大学の日本語別科
  • 専門学校
  • 中学、高校
  • 小学校
  • インターナショナルスクール
  • いわゆる民族学校(ほら、インド人学校とか、韓国人学校とか)
  • 民間企業内の日本語研修
  • 民間企業内の異文化研修(日本人が受講生)
  • 技術研修生の日本語研修
  • 日本語教育をしている財団法人
  • 外国籍芸能人の日本での活動のためのレッスン
  • 外国人職員を受け入れた病院や介護施設
  • 個人的なレッスン依頼
  • Skype
  • 教材作成
  • ライター
  • 地域のボランティア教室

日本語学校には大きく2種類あって、それは留学生を相手にしているものと別の資格で日本の滞在ビザを持っている人を相手にしているものです。
留学生の多くは日本語学校を卒業した後、日本での進学や就職を希望して日本へ来ます。ですから進学指導も大切な仕事の一つです。留学生はほぼアジア圏ですが、まれにヨーロッパに強いコネクションを持っている日本語学校もあります。とにかくガンガン勉強させます。
しかし、ここは学校。夏休みも冬休みもあります。学期の合間の秋休み、春休みもあって、1コマいくらで働く非常勤講師はこの期間収入が減ります
留学生を受け入れていない日本語学校は、ビザのサポートや生活指導は必要ありませんし、もちろん進学指導もありません。
主に「趣味で」「日本の生活を豊かにするため」週に1、2回レッスンを受けています。短期の観光ビザで日本へ来て、このタイプの日本語学校で日本の生活と日本語を楽しんで帰国する人も少なくありません。日本人が「1週間からの英語留学~♡」なんて言って、シンガポールあたりに行く感じです。
このタイプの学校は長期の休みは年末年始ぐらいです。下手すると「日本にいるけれど、家族もいないし暇だから授業してほしい」というお客様生徒さんの声にお応えして、年末もぎりぎりまで授業したりします。受け持つ授業もグループレッスンだったり、プライベートレッスンだったりします。受け持ち数によって収入が決まります。

大学の先生なら生活できるのではと思ったあなたは甘いです。
有名私立のW大学で求人が出ていましたが、「非常勤インストラクター」という肩書でした。
修士以上という条件にもかかわらず、報酬は1コマ=90分=4,400円です。
大学が高学歴ワーキングプアを生産してるとは…。

企業向けの日本語教育はもう何年も人材不足です。
一般的に日本語学校よりも時給が高いにもかかわらず、一年中、教師を探しています
社会人としてのマナーも必要ですので、企業勤務経験必須です。大手企業の経験があると喜ばれます。そして、英語か中国語で文法説明ができるともっと喜ばれます。

芸能人向けのレッスンのオファーが来たこともありますが、これはちょっと特殊でしょうか。
テレビ出演の合間にレッスンなど学習者のスケジュールに合わせないといけないので、柔軟な時間対応が求められる分、時給が高いです。

最近増えているのがスカイプレッスンです。
個人的なものから、海外の日系企業の社員向け研修まで、お値段もピンキリです。
中東の日本語学習者が、日本人の先生が帰国して話す相手がいないのでスカイプで、という話も聞きました。

日本人の学習者に敬語や漢字検定対策を教えたり、外国人を受け入れている企業の社員向けの異文化研修などをしている方もいます。
数年前の日本語学校研究発表会では、病院の職員として働いている日本語教師の方が発表されていました。この分野も増えてほしいところです。

日本語学校ですと、1コマ45分で1,800円、企業研修ですと、60分で2,300円が最低ラインといったところでしょうか。
私個人でプライベートレッスンを請け負うときは、60分3,000円と決めています。インド人などは値切ってきますが1円もおまけしません。でも、90分4,500円でする生徒さんが多いです。
いずれにせよ、自分で最低価格を決めておくことが大切だと思います。つまり、これ以下ではやらないというラインです。

はたらく場は日本語学校だけではないのです。




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