2020年10月31日土曜日

JLPTの読解を考える

日本語能力試験(JLPT)は読解ができずに不合格になることが多いようですが、

あれ、わりとしっかり問題傾向がわかっています。

公式問題集ⅡからN2読解の問題11を見てみましょう。
中文問題と言われているものです。

問題60は「日本人が使う個性という言葉について、筆者はどのように述べているか」ですが、
答えはテキストの2段落目にあります。
次の問題61の答えはテキストの4段落目、問題62の答えは最後の段落で、いずれも
テキストの言葉を他の言葉で表現しているものが正答です。

次の問題を見てみましょう。
3つの段落からなるテキストで、それぞれ問題63が1段落目、問題64が2段落目、問題65が3段落目から答えが見つかります。
つまり、中文は全体を3分割して、そこから答えを探していけばいいのです。

教える立場から考えてみましょう。
正答の選択肢は全て、テキストの言葉の言い換え、もしくは要約になっています。
そして、「それとは何か」のような問いはほとんど出ません。
2つの公式問題集の中文小問18個中、1個だけで、その正答もテキストの言い換えになっています。

ですから、普段の授業の中ですべきことは、
教材としているテキストを読み、内容理解し、
さらにそれを他の言葉で言い換えたり、自分で言い直したりする練習なのです。

私たち日常、文字情報を読むと「つまりどういうことなのか」を考えると思います。
JLPTが測りたいと考えている読解の力とは、まさにそのようなことなのだと思います。
いろいろと批判もありますが(あります?)、
よくできた問題だと思います。


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