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他の人に伝えるための聴解

日本語学校でこの秋冬に受け持っているのは、上級クラスの10人。
春夏に担当していた先生方から引き継いだテキストの1つはこれです。

ニュースの日本語 聴解50

音声がニュースの読み上げのようになっているのですが、
それを聞きながら、あらかじめ用意されているブランクのあるスクリプトの穴埋めをしていくようにと言われて、引き継ぎました。
でもね、この練習、このクラスにはちょっとレベルが低いんです。
内容はすぐに理解できてしまうので、あまり熱心には取り組んでくれない。
色々やり方を変えてみたのですが、ダメでした。
そんな10月を過ごし、
11月は試験対策でこの教材には触れず、
さて、12月。
戻ってきたよ、テキストへ。

試験対策をしている時に気づいたのは、メモ取りが下手なこと。
文章化するのが下手なこと。

そこでディクトグロス的なことをやってみようと思い立ちました。

いやあ、これいいかも。

やり方は

① 音声を2、3回聞きながらメモを取る。
②  チームで文章にしていく
③  板書する

それだけです。
でも、②あたりで聞けていない、必要な情報をメモしていないことに気付くんですよ。

1回目は「所持金は5円前後だった」を全員が聞き取れなくて、
「ごえんって何?」「ぜんご?ぜんごう?」「そじきん?」と…。
推測しながら文章化して、どうにか仕上げることができました。
中には1文しか書けなかったチームもありますが…。

しかし、継続は力なり。
3回目ともなると、コツを掴んでそこそこ上手に文章化できるように。
3人寄ればなんとやらです。
板書が終わった後は、

④ 文章をクラス全体で直していく

で終了です。

引き続き実施して、「聞く」だけじゃなく、聞いたことを「他人に伝える」活動になっていけばいいなと思っています。

思い立ったきっかけは akkyさんのこちらのブログです。
ゆるゆる日本語教師 なにわ日記 : ディクトグロスと参加型板書を組み合わせてやってみた 

確か実践研究フォーラムにも報告があったような…と思って本棚探したらありました。
(ネット上でも公開されていました。)
授業を組み立てるときに、参考にさせてもらいました。
総合的な日本語運用力の向上を目指して −ディクトグロスの試み 





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